Vagrant のプロビジョナーに ansible_local を使う

ここのところ、カウンターの話題でお茶を濁していましたが、ようやっとまとまった時間が取れて、久しぶりに Vagrant で VirtualBox の仮想マシンを自動生成なんぞして遊んでみました。

んで、プロビジョニングに ansible を使いたいな~と思いつつ、Windows 上に ansible を入れ込むのは骨だなぁ、Windows Subsystem for Linux(WSL)の ubuntu で入れるのかなぁ、でも面倒だなぁ。とだらだらと思いつつ、Web 上を彷徨っていると、最近の Vagrant では「ansible_local」というプロビジョナーが追加になったとの情報に接し、どんなものか触ってみました。

導入

……何も必要ありません。ッてもちろん、Vagrant と VirtualBox、加えてネットが無いなら、Vagrant の box ファイルは必要ですが、それ以上は特に必要ありません。

そもそも ansible_local とはどんなものか

「何も必要ない」理由は簡単です。

プロビジョナー ansible の場合は、ホスト側で ansible が動いて、ゲスト OS にプロビジョニングを施すわけですが、ansible_local の場合は、Vagrant が自動的にホスト側にある playbook を ゲスト側に送り込み、ゲスト側で ansible を実行してくれます。

しかも、ゲスト側にさえ、特に準備が必要ありません(少なくとも CentOS で検証した限りでは)。つまり、カスタマイズした Box ファイルを用意したりする必要はありません。

プロビジョニング時に、ゲスト OS に ansible が無い場合、自動的に ansible をインストールし、その上で playbook が実行されます。もちろん、epel-release パッケージを含め、依存関係は解決されます。

検証

box ファイルは、CentOS 公式の「centos/7」を利用しました。

適当なディレクトリを作成し、Windows コマンドプロンプトで、カレントディレクトリを作成したディレクトリにうつし、まずは下記を実行して Vagrantfile のひな形を作成します。

vagrant init centos/7

作成した Vagrantfile を元に、まずは Shell でプロビジョニングを書いて追記した結果が、以下の通りです。

Vagrant.configure("2") do |config|
  config.vm.box = "centos/7"
    config.vm.provision "shell", inline: <<-SHELL
      sudo yum update -y
      sudo yum install epel
    SHELL
end

vagrant up してみて、vagrant ssh で中に入って、yum update してみても何も無い(プロビジョニング済みである)ことを確認します。

次に、Vagrantfile を以下のようにしてみます。

Vagrant.configure("2") do |config|
  config.vm.box = "centos/7"
  config.vm.provision "ansible_local" do |ansible|
    ansible.playbook = "provision/vagrant.yml"
  end

end

そして、カレントディレクトリに provision ディレクトリを作成し、以下の内容で vagrant.yml を作成します。

- name: provisioning
  hosts: all
  sudo: yes
  tasks:
    - name: yum update
      yum: 
        name=*
        state=latest

一旦仮想マシンを破棄して作り直します。

vagrant destroy
vagrant up

先ほどと同じく、vagrant ssh で中に入って、yum update してみても何も無い(プロビジョニング済みである)ことを確認できたら成功です。

考察

 

vagrant のプロビジョナーとしての「ansible_local」を「ansible」との対比で考えると、以下の利点欠点があるかもしれません。

利点

  • Windows から使える。
  • 準備がほぼ必要ない。

欠点

  • プロビジョニングによって、必要無い(かもしれない)ansible と、その依存パッケージがゲスト OS にインストールされる。

まぁ、私にとっては「Windows から使える」という利点は大きく、またガッツリ開発系ではなくて、チョッと手元で Linux ディストリビューションの動作を確認する、という使い方がメインなので、ansible の勉強もかねて、良い感じかも知れません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください